イラストを線を溶かさずに拡大する
線画は写真とは違う壊れ方をします。写真に効く設定は、絵にとっては線を甘くする設定です。
手順
- 絵をページにドロップする
Pixmend を開いてファイルをドラッグします。アップロードは発生しません。 - イラスト向けモデルに切り替える
写真向けモデルは質感に寄せて調整されているため、綺麗な線を甘くします。 - まず x2 から試す
x4 は、出力先が本当にその画素数を必要とするときだけにします。 - 等倍で線を確認する
比較スライダーを 100% で使い、線の端と細い線を見ます。
イラストは、拡大したときに写真とは違う壊れ方をします。写真は少し甘くなっても写真として読めますが、線が甘くなった絵は「失敗」として読まれます。ここを外さないための要点は、ほとんどが写真向けに設計された設定を使わないことに尽きます。
線画のほうが難しい理由
写真はほぼ全面が質感でできています。肌、布、葉、ノイズ。質感をうまく組み立て直すモデルなら、それだけで良く見えます。
絵は逆です。広い平坦な面と、情報のほとんどを担う細く高コントラストな線。平坦な塗りに質感が足されると、汚れて見えます。線が 1 画素甘くなるだけで線の太さの印象が変わり、入り抜きのある線では、絵の性格そのものが変わります。
つまりイラストを拡大するときの目標は「ディテールを足す」ことではありません。線をそのままの形で、大きいサイズにすることです。
イラスト向けモデルを使う
写真向けとは別に、イラスト向けに調整されたモデルがあります。綺麗な線を持つ画像なら、違いは見れば分かります。 Apple Silicon のノート PC では、1024 画素四方の画像を x4 にする処理が約 3.9 秒です。
写真向けモデルに通すと、画面に合わせた表示では問題なく見えて、等倍で見ると崩れているものが出てきます。線の端がわずかに丸まり、細い線が消えかかり、平坦な面に、元の絵には無かった質感がうっすら乗ります。
倍率は控えめにする
x4 は x2 と比べて、はるかに広い面積をモデルに埋めさせます。質感が相手ならたいてい問題ありませんが、絵の場合は作らせる量が増えるほど、線が変わる機会が増えます。
まず x2 から始めてください。 x4 は、大きく印刷するなど、出力先が本当にその画素数を必要とするときだけです。既定として使うものではありません。
ノイズ除去は慎重に
ノイズ除去は圧縮された写真に効きます。綺麗な線画にかけると、線の内側にある微妙なムラを平らにしてしまうことがあります。手で描いた線が手描きに見えるのは、そのムラのおかげです。
ペイントソフトから出して PNG で 1 回保存しただけの絵なら、除去すべきノイズはありません。 JPEG で保存した、あるいはチャットアプリを経由した絵なら乗っているので、中くらいの設定を試す価値があります。
結果を確認するときに見る場所
画面に合わせるのではなく 100% で見比べ、特に次を見てください。
- 線の端と入り抜き。 甘さが最初に出る場所です。
- 絵の中でいちばん細い線。 ハッチング、まつ毛、髪の毛。
- 平坦な塗り。 平坦なままであるべきです。現れた質感は作られたものです。
- 色の境界。 硬い色境界に沿って縁取りが出たら、設定が強すぎます。
これができないこと
描き直しはしません。 元が小さく強く圧縮された絵のサムネイルなら、その時点で線はすでに壊れています。拡大しても、壊れた線が大きくなるだけで、綺麗な線にはなりません。
絵柄も変えません。 これは意図的な設計です。ここで使っているモデルは、ありそうなものを生成するのではなく、そこにあるものを組み立て直します。キャラクターの設定を崩せない場面で欲しいのは、その性質のほうです。
処理はすべてブラウザの中で行われるので、未公開の作品が端末から出ることはありません。イラストの場合、たいていそこが本題です。