Pixmend

「無料の高画質化ツール」の無料の中身(回数・透かし・解像度)

サーバーの GPU は有料なので、無料のツールはどこかで回収します。回数・透かし・出力上限・登録のどれかです。

約 4 分2026年7月時点の情報

手順

  1. どこで回収しているかを先に見る
    クレジットの残数、透かし、出力サイズの上限、アカウント要求のどれに当たるかを、始める前に確認します。
  2. 保存まで通してから判断する
    捨ててよい画像を 1 枚通し、ダウンロードまで進みます。透かしと出力上限は最後に出てきます。
  3. 送ったファイルの扱いを読む
    サーバーで処理されるなら、その後にファイルがどう扱われるかは利用規約が決めます。
  4. 回収するコストが無いツールを選ぶ
    自分の端末で動くものには 1 枚ごとの費用が無く、だから回数を数えずに済みます。

サーバーでモデルを動かすツールは、1 枚ごとに GPU の時間を買っています。それをどこかで回収しなければ続かないので、どの方法で回収しているかが分かれば、どこで壁に当たるかも先に分かります。 たいていは最も都合の悪いところ、つまり処理が終わったあとです。この問いごと省きたいなら Pixmend を開く、そうでないなら、他のツールで何を確認すればよいかを下に書きます。

「無料」の回収方法は 4 つ

方法 気づく場所 先に確認すること
回数・クレジット 数枚 処理したあと 1 日あたりか、月あたりか、それとも生涯で 1 回きりか
透かし 画面ではなくダウンロードしたファイル 本番の前に、1 枚だけ保存してみる
出力の上限 思ったより小さい結果 宣伝されている倍率ではなく、出力サイズの上限
送ったファイル どこにも表示されない 送った画像について規約が何と書いているか

上の 3 つはまっとうな商売のやり方で、たいていのツールははっきり書いています。読む価値があるのは 4 つめです。サーバーで処理するということは、画像がそのサーバーにあるということで、その後にどう扱ってよいかは利用規約が決めます。旅行の写真なら気にならないかもしれません。未発表の原稿、取引先から預かった写真、 NDA のかかった素材なら、それが問題のすべてです。

判断はプレビューではなく保存まで通してから

制限のほとんどは最後に出てきます。画面のプレビューは綺麗で、透かしが乗るのは保存したファイルのほうで、出力の上限は落としたファイルの画素数を見て初めて分かります。

だから、そのツールに午後を丸ごと使う前に、捨ててよい画像を 1 枚だけ通してください。処理して、ダウンロードして、開いて、実際の画素数を見ます。 料金ページを読むより確実です。

同時に見ておくとよいことが 2 つあります。ダウンロードの直前にアカウントを求められないか (登録の壁はたいていそこに置かれます)。そして宣伝されている倍率が出力上限を超えていないか。 8x をうたっていても 1 辺の上限があるなら、8x が成立するのは小さい入力のときだけです。

回数を数えない「無料」もある

1 枚ごとの費用が発生しないツールは、そもそも形が違います。2026 年 7 月時点で確認した範囲では次のとおりです。

無料の形 引き換えに要るもの
waifu2x 無料で使える。イラストに特化したモデル 処理はサーバー側なので画像を送る必要があり、受け付けるサイズに上限がある
Upscayl(デスクトップ版) 無料。処理は自分の端末でローカルに動く インストールが要る。ソフトを入れてよい端末が必要
Upscayl Cloud 無料枠は 10 クレジット その先は月 $24.99。ただし 8x が要るならこれが答え
Pixmend ブラウザの中で自分の GPU が動くので、回収すべきサーバー費用が無い WebGPU 対応ブラウザが要る。入力は 12.6MP まで

これは売り文句ではなく本当のトレードオフ表です。8x が必要なら Upscayl Cloud 一択で、この表の他のどれでも代われません。デスクトップ版 Upscayl は無料でローカルで動き、それを何年も続けています。求められるのはインストールだけです。

ここでの「無制限」の中身

Pixmend は 0 円です。機能はすべて使えて、枚数の制限もサイズによる課金も、アカウントもインストールもありません。それが成り立つ理由は 1 つだけで、モデルがブラウザの中であなたの GPU で動くからです。分担すべきサーバーの請求書がありません。

正直な限界は上の表に書いたとおりです。WebGPU 対応のブラウザ — いまのところ Chrome、Edge、新しい Safari — が必要で、非対応の端末向けに遅い代替経路を用意する予定もありません。入力は 12.6MP までです。初回はモデルとランタイムで 11.6MB ほど取得し、その後は端末内に保存されます。そのあとは 1024×1024 の写真で 7.1 秒、同じ大きさのイラストで 3.9 秒です。

透かしはありません。画面に無かったものがダウンロードの段階で出てくることもありません。保存されるのは、いま見ていた結果そのものです。そして画像がどこにも送られないので、そこに適用される利用規約も存在しません。送信が無いことは、処理中に DevTools の Network タブが静かなままであることで確認できます。

結局これを聞けばよい

そのツールのコストはどこにあるのか。 ここが分かれば残りは決まります。サーバーの GPU 代を払っているツールは、どこかで制限をかけるしかなく、それは回数か、透かしか、出力の上限か、送ったファイルに付く規約のどれかです。サーバーの請求書が無いツールには回収するものが無く、だから枚数を数えずに済みます。