画像が荒い・ぼやける原因と、実際に直る直し方
ぼやけて見える原因は 3 種類あり、直せるのはそのうち 2 つです。見分けるのは数秒で済みます。
「ぼやけている」は、画像がどう見えるかを言っているだけで、何が起きたかを言っていません。この一語の裏には 3 つの異なる原因が隠れていて、同じ処置では直りません。2 つは直せますが、1 つは直せません。どれに当たるかを見分けるのは、この段落を読むのと同じくらいの時間で済みます。
3 つの原因
| 等倍で見えるもの | 原因 | 直せるか |
|---|---|---|
| 四角いブロック、輪郭にまとわりつくノイズ | 圧縮 | 直せる |
| 全体が甘いが、輪郭の位置は正しい | 解像度が足りない | 直せる |
| 輪郭が二重、流れている、一方向だけ甘い | ピンぼけ・手ブレ | 直せない |
見分け方は、画像を画面に合わせるのではなく等倍(100%)で開き、硬い輪郭を 1 か所見ることです。画面に合わせた表示は 3 つの問題を等しく隠します。モニタでは問題なく見えていた画像が、印刷や拡大で崩れるのはこのためです。
原因 1 — 解像度が足りない
最も多く、最も直しやすい場合です。用途に対して画像が小さいだけの状態を指します。横 600 画素の商品写真を 1200 画素で表示している、古いアイコンをヘッダーに使っている、大きな写真から切り出した、といった場面です。
ここでは何も壊れていません。単に情報が足りず、本来の想定より多い画素数に、あるものを引き伸ばしているだけです。
通常のリサイズではこれは直りません。材料が無いからです。隣り合う画素を平均して、同じ画像の「大きくて甘い版」を作るだけです。ディテールの振る舞いを学習したモデルは、平均する代わりにもっともらしい輪郭を組み立て直します。この文脈で「高画質化」と呼んでいるのは、その処理のことです。
原因 2 — 圧縮による劣化
JPEG は容量を減らすために情報を捨てます。しかも 8 画素四方のブロック単位で捨てます。圧縮を強くかけすぎたとき、あるいは保存を何度も繰り返したとき、そのブロックが見えるようになります。グラデーションに平坦な四角が並び、硬い輪郭のまわりにノイズがちらつきます。
チャットアプリに貼ったスクリーンショット、SNS から保存した画像、何度か編集を経た写真は、たいていこの状態で届きます。
これは直せますが、順序が重要です。圧縮された画像を先に拡大すると、圧縮の傷も一緒に拡大され、目立たなくなるどころかはっきりします。ノイズ除去は同じ処理の中で行う必要があります。倍率と並んでノイズ除去の設定があるのは、後工程として分けないためです。
原因 3 — ピンぼけと手ブレ
これが直せないものです。はっきり書いておきます。
カメラが別の面にピントを合わせていた、あるいは露光中に被写体が動いた場合、そのディテールは最初から記録されていません。ファイルの中に復元すべきものが無いのです。モデルは、無かった質感を作り出すことで「鮮明に見えるもの」を出せますが、それは修復された画像ではなく別の画像です。顔であれば、少し違う人物として戻ってくることがあります。
見分けは方向で付きます。手ブレは一方向に流れ、ピンぼけは特定の距離だけを甘くして、他の距離は鮮明なまま残します。画面の一部がくっきりしていて一部が甘いなら、どれだけ処理をかけても甘い部分は戻りません。
4 つ目の場合 — そもそもぼやけていない
見た目が甘いだけで、ファイルには問題がなく、表示側が原因ということがあります。
高精細ディスプレイで撮ったスクリーンショットを半分の大きさで見ると甘く見えますが、これは縮小されているからで、何かが失われたからではありません。ファイルより狭い枠に収めて表示している場合も、同じことが起きています。アプリ側がプレビューに独自の平滑化をかけていて、実際のファイルより甘く見えている、ということもあります。
何かを処理する前に、再サンプリングしないビューアで等倍(100%)で開いてください。そこで鮮明なら、ファイルは正常です。直すべきなのはページ側か書き出しサイズであって、高画質化ではありません。
この確認は数秒で済み、しかもやらずに処理してしまうと、問題のない画像に不要な加工を加えることになります。順序として先に置く価値があります。
直せる 2 つを直す
- Pixmend を開き、画像をページにドロップします。
- x2 か x4 を選びます。x4 は本当に大きいサイズが要るときだけにしてください。倍率が小さいほど結果は保守的になります。
- 写真向け・イラスト向けのモデルを、画像に合わせて選びます。
- ブロックや輪郭のノイズが見えていたなら、ノイズ除去を強めます。
- 比較スライダーで等倍のまま処理前後を見比べ、ダウンロードします。
処理はブラウザの中で行われるので何もアップロードされず、組み合わせを変えて何度試しても制限はありません。
拡大は工程のどこで行うか
原因が分かって直せる場合でも、どの段階で拡大するかで結果が変わります。
作業の途中で拡大すると、そのあとの編集・書き出しのたびに、拡大で組み立て直したディテールが再圧縮を受けます。せっかく復元したものを、自分の工程で削っていくことになります。
拡大は工程の最後に置いてください。編集は原本のサイズのまま行い、最終的な出力サイズが決まった時点で 1 回だけ拡大する。これだけで、同じ設定でも結果がはっきり変わります。
同じ理由で、すでに拡大した画像をさらに拡大しないことも重要です。 2 回目の処理は、1 回目が誤って組み立てた部分も「元からあったもの」として扱い、誤りを増幅します。やり直すなら、必ず原本に戻ってください。
それでも直らないとき
結果がまだおかしい場合、原因はたいてい次のどれかです。
やはりピンぼけか手ブレだった。 画面のどこかが鮮明かを確認してください。鮮明な部分があるなら、甘い部分は戻りません。
倍率が強すぎた。 もともと小さい画像に x4 をかけると、モデルに作らせる量が増えます。x2 で様子を見てください。
モデルが合っていない。 線画を写真向けモデルに通すと線が甘くなりがちで、写真をイラスト向けモデルに通すと肌の質感が平坦になりがちです。どちらも無料なので、両方試してすぐ見比べられます。
元がスクリーンショットのスクリーンショットだった。保存と再エンコードのたびに情報は永久に失われます。ある段階から先は、元のファイルを探すこと以外に本当の解決はありません。
最後のものは習慣として重要です。手元にある最大の原本を残し、拡大は工程の最後に行う。カメラから最終画像までの間にある保存 1 回 1 回が、小さく、取り返しのつかない損失です。